「3Dペンを買ってあげたいけど、やけどが心配……」
子どもが工作やものづくりに興味を持つと、3Dペンはとても魅力的なおもちゃに見えますよね。
でも、いざ調べてみると、
- 3Dペンは本当に子どもが使っても大丈夫?
- ノズルはどのくらい熱くなるの?
- 低温タイプならやけどの心配はない?
- 何歳から使わせてもいい?
- 買うときはどこを見ればいい?
と不安になるお母さんも多いと思います。
結論からいうと、3Dペンは種類によって熱さが大きく違います。
PLAやABS素材を使う一般的な3Dペンは、ノズル温度が160〜230℃前後になるタイプもあり、子どもが使う場合は十分な注意が必要です。実際に、PLAは160〜210℃、ABSは180〜210℃程度の温度設定が示される3Dペンもあります。
一方、子ども向けとして選びやすいのは、PCL素材を使う低温タイプの3Dペンです。PCLは55〜60℃前後で溶ける低融点素材とされており、通常タイプよりも低い温度で使えるのが特徴です。
ただし、ここで大切なのは、低温タイプでも「完全に安全」ではないということです。
60℃前後でも、触れれば熱いです。長く触れたり、ノズルを押し当てたりすれば、やけどの原因になる可能性があります。
この記事では、子どもに3Dペンを使わせる前に知っておきたい、やけどのリスク・低温タイプの選び方・年齢別の目安・安全な使い方をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 3Dペンでやけどが起きる理由
- 通常タイプと低温タイプの違い
- 低温3Dペンでも注意が必要な理由
- 何歳から使えるかの年齢別目安
- 買う前に確認したいポイント
- 使うときに親子で決めたい安全ルール
3Dペンでやけどが起きる理由
3Dペンは、フィラメントと呼ばれる樹脂素材を熱でやわらかくし、ペン先から押し出して形を作る道具です。
紙に線を描くような感覚で立体作品を作れるため、子どもの工作や自由研究にも人気があります。
ただし、問題になるのがペン先の熱さです。
3Dペンには大きく分けて、次のようなタイプがあります。
| タイプ | 主な素材 | 温度の目安 | 子ども向けの考え方 |
|---|---|---|---|
| 通常タイプ | PLA・ABSなど | 160〜230℃前後 | 高温のため注意が必要 |
| 低温タイプ | PCLなど | 60℃前後 | 子ども向けに選びやすいが見守りは必要 |
通常タイプは、素材を溶かすために高い温度が必要です。
ペン先が高温になっている状態で子どもがうっかり触ってしまうと、一瞬でもやけどにつながるおそれがあります。
特に子どもは、作業に夢中になると、
- ペン先を手で触ってしまう
- 出てきたフィラメントをすぐ触ろうとする
- 顔や髪の近くにペンを向ける
- 使い終わった直後に片付けようとする
といった行動をしやすいです。
そのため、3Dペンを選ぶときは「子ども向け」と書いてあるかどうかだけでなく、どの素材を使うのか、何℃くらいで使うのかを確認することが大切です。
低温タイプなら子どもも安全?
子どもに使わせるなら、まず検討したいのはPCL素材対応の低温3Dペンです。
PCLは比較的低い温度でやわらかくなる素材です。一般的なPLA・ABS対応の3Dペンよりも低温で使えるため、子ども向けとして販売されている商品にもよく使われています。
ただし、低温タイプについては、次のように考えるのが正解です。
低温タイプ=やけどしない
ではなく、
低温タイプ=高温タイプよりリスクを下げやすい
というイメージです。
低温タイプでも、ノズル部分は熱くなります。
60℃前後でも、長く触れれば熱さを感じますし、皮膚に押し当てれば低温やけどの原因になる可能性もあります。
そのため、子どもには最初に必ず、
- ペン先は触らない
- 顔や体に向けない
- 出てきた素材をすぐ手で触らない
- 終わったらホルダーに置く
- 冷えるまで片付けない
というルールを伝えておきましょう。
低温3Dペンでも「完全に安全」ではない理由
低温タイプの3Dペンは、子ども向けに選びやすい道具です。
しかし、親が「低温だから大丈夫」と思いすぎると危険です。
低温タイプでも注意したい理由は、主に3つあります。
1. ノズルは熱くなる
低温タイプでも、フィラメントをやわらかくするためにペン先は温まります。
「低温」と書かれていても、子どもが素手で触ってよいという意味ではありません。
特に小さい子は、作品を作ることに夢中になると、ペン先と手の距離が近くなりやすいです。
2. 使い終わった直後はまだ熱い
3Dペンは、電源を切った直後でもペン先に熱が残っていることがあります。
使い終わってすぐに引き出しや箱へ片付けようとすると、手に触れたり、他のものに当たったりする可能性があります。
使い終わったら、すぐに片付けず、ホルダーやスタンドに置いてしばらく冷ますようにしましょう。
3. 子どもは危険な部分を忘れやすい
最初に説明したときは理解していても、遊び始めると忘れてしまうことがあります。
特に6〜7歳くらいまでは、親がそばで見守る前提で使った方が安心です。
「危ないから気をつけて」だけでは、子どもには伝わりにくいです。
次のように、短い言葉で伝えるのがおすすめです。
- 「先っぽは触らない」
- 「顔に向けない」
- 「終わったらここに置く」
- 「熱いところはお母さんが見る」
このくらい具体的なルールにすると、子どもも守りやすくなります。
3Dペンは何歳から使える?年齢別の目安
3Dペンを何歳から使えるかは、商品によって異なります。
対象年齢が6歳以上、8歳以上、14歳以上などに分かれているため、購入前に必ず商品ページやパッケージを確認してください。
ここでは、家庭で使うときの目安をまとめます。
| 年齢 | 使える目安 | 使い方の考え方 |
|---|---|---|
| 〜5歳 | △ | 基本的には親が操作。子どもは見る・飾る程度が安心 |
| 6〜7歳 | △〜○ | 低温タイプを短時間。必ず大人が隣で見守る |
| 8〜10歳 | ○ | 低温タイプ推奨。ルールを守れるなら一緒に楽しめる |
| 小学校高学年以上 | ○〜◎ | 低温タイプ中心。通常タイプは保護者と相談 |
〜5歳は親が操作する方が安心
5歳以下の子どもには、自分で3Dペンを操作させるより、親が使って見せる形の方が安心です。
この年齢では、熱い部分を触ってはいけないと頭ではわかっていても、興味が勝って手が出てしまうことがあります。
作品づくりに参加させるなら、
- 色を選んでもらう
- 完成したパーツを並べてもらう
- 親が作ったものを飾ってもらう
くらいから始めるとよいです。
6〜7歳は短時間・大人と一緒に
6〜7歳になると、簡単なルールは理解できるようになります。
ただし、まだ一人で安全に使える年齢とは考えない方が安心です。
低温タイプを選び、親が隣にいる状態で、10〜15分程度の短時間から始めましょう。
使う前には、
先っぽは熱いから触らないよ
顔には向けないよ
終わったらこの台に置くよ
と、実物を見せながら確認しておくと伝わりやすいです。
8〜10歳は低温タイプで一緒に楽しみやすい
8〜10歳くらいになると、ペンの持ち方や力加減も安定しやすくなります。
ルールを守れる子であれば、低温タイプの3Dペンで十分に楽しめます。
ただし、初めて使うときは必ず一緒に操作しましょう。
最初の1〜2回は、
- ペンの持ち方
- フィラメントの出し方
- 作品から手を離すタイミング
- 使い終わった後の置き方
を親が横で見ながら教えると安心です。
小学校高学年以上は本格的に楽しみやすい
小学校高学年以上になると、作品づくりの幅も広がります。
キーホルダー、立体の文字、ミニチュア作品、自由研究の工作など、工夫して楽しめる年齢です。
ただし、通常タイプの3Dペンを使う場合は、保護者が商品仕様を確認したうえで判断しましょう。
子どもだけで高温タイプを使わせるのは避け、まずは低温タイプから始める方が安心です。
子どもが3Dペンを使うときの安全ルール
3Dペンは、使う前の準備で安全性が大きく変わります。
子どもと一緒に、次のルールを確認しておきましょう。
使う場所を整える
まずは、作業する場所を決めます。
おすすめは、平らで安定したテーブルの上です。
周りに飲み物やお菓子、おもちゃがあると、手がぶつかったり、ペンが倒れたりしやすくなります。
使う前に、机の上を片付けておきましょう。
あると便利なのは、次のようなものです。
- シリコンマット
- クッキングシート
- ペンスタンド
- フィラメント用の小さなケース
- 作品を置くトレー
シリコンマットやクッキングシートを敷いておくと、机にフィラメントが貼り付くのを防ぎやすくなります。
また、ペンスタンドがあると、使い終わった直後のペンを安全に置きやすくなります。
使用中は大人が近くで見守る
特に小学生低学年までは、大人が近くで見守るようにしましょう。
見守るといっても、ずっと手を出す必要はありません。
ただし、
- ペン先に手が近づいていないか
- 顔や髪に向けていないか
- 机の外で使っていないか
- 使い終わったペンをそのまま置いていないか
は確認しておきたいポイントです。
子どもが慣れてきた場合でも、最初の数回はそばで見ることをおすすめします。
換気しながら使う
3Dペンを使うときは、部屋の換気も意識しましょう。
特にABSなど一部の素材は、加熱時のにおいが気になることがあります。
子ども向けにはPCL素材の低温タイプが選びやすいですが、それでも使用中は窓を少し開ける、換気扇を回すなど、空気がこもらないようにすると安心です。
ノズルには絶対に触らない
一番大切なルールは、ノズルに触らないことです。
子どもには「ノズル」という言葉よりも、
ペンの先っぽは熱いから触らない
と伝える方がわかりやすいです。
使い始める前に、実際のペンを見せながら、
ここは触らないよ
と指で示して確認しましょう。
使い終わったら冷えるまで待つ
3Dペンは、使い終わった直後も熱が残っていることがあります。
終わったらすぐに収納ケースへ入れるのではなく、ペンスタンドや安全な場所に置いて、冷えるまで待ちましょう。
子どもにも、
終わったらすぐ片付けない
まずはここに置く
と決めておくと安心です。
買う前に確認したい4つのポイント
子ども用に3Dペンを選ぶときは、デザインや価格だけで決めない方が安心です。
最低限、次の4つを確認しましょう。
1. PCL対応の低温タイプか
一番大切なのは、PCL素材に対応している低温タイプかどうかです。
商品ページに、
- PCL
- 低温
- 約60℃
- 子ども向け低温フィラメント
などの記載があるか確認しましょう。
反対に、ABSやPLAが中心の3Dペンは高温で使うタイプが多いため、小さい子どもには慎重に考えた方がよいです。
「子ども向け」と書いてあっても、必ず素材と温度を確認してください。
2. 対象年齢が子どもに合っているか
3Dペンは、商品によって対象年齢が異なります。
6歳以上、8歳以上、14歳以上など、かなり差があります。
対象年齢はあくまで目安ですが、子どもの年齢より高い商品を選ぶ場合は、操作の難しさや安全面をより慎重に見た方がよいです。
特に初めて使うなら、対象年齢が子どもに合っていて、低温タイプのものを選ぶと安心です。
3. フィラメントを補充しやすいか
3Dペンは、フィラメントを使い切ると補充が必要です。
本体だけ安く買えても、専用フィラメントしか使えない場合、あとから補充しにくいことがあります。
購入前に、
- 追加フィラメントが売っているか
- 色の種類があるか
- 専用品しか使えないか
- PCLフィラメントを買い足せるか
を確認しておきましょう。
長く使うなら、補充のしやすさはかなり大切です。
4. 付属品がそろっているか
初めて3Dペンを買うなら、付属品がそろったセットを選ぶと使いやすいです。
あると便利なのは、
- PCLフィラメント
- シリコンマット
- ペンスタンド
- 収納ケース
- 型紙やテンプレート
- 充電ケーブル
などです。
特にシリコンマットとペンスタンドは、机の汚れ防止や使い終わった後の管理に役立ちます。
初めての子どもには、本体だけの商品よりも、すぐに使えるセットタイプの方が安心です。
とはいえ、商品ページを見ると「PCL」「PLA」「ABS」「ノズル温度」「フィラメント径」など、わかりにくい言葉がたくさん出てきますよね。
「子どもに使わせやすい低温タイプを選びたい」
「年齢に合った3Dペンを比較したい」
「付属品までそろったセットを知りたい」
という方は、こちらで年齢別に選びやすいモデルをまとめています。
👉 子ども用3Dペンおすすめ5選|低温タイプで選ぶ失敗しない方法
買って後悔しやすい3Dペンの特徴
3Dペン選びで後悔しやすいのは、「子ども向け」と書かれているだけで安心してしまうケースです。
特に注意したいのは、次のような商品です。
高温タイプなのに子ども向けに見える
カラフルなデザインやかわいい見た目でも、PLA・ABS対応の高温タイプである場合があります。
見た目だけでは判断できません。
商品ページで、素材と温度を確認しましょう。
フィラメントを買い足しにくい
付属のフィラメントを使い切ったあと、専用品が手に入りにくいと、せっかく買っても使えなくなってしまいます。
子どもが気に入って長く使う可能性があるなら、補充フィラメントの買いやすさも大切です。
ペンが重すぎる
大人向けの3Dペンは、子どもの手には大きすぎたり、重すぎたりすることがあります。
手が疲れると、ペン先がぶれやすくなり、思ったように作品が作れません。
子ども用に選ぶなら、軽くて持ちやすい形かどうかも見ておきましょう。
スタンドやマットが付いていない
ペンスタンドがないと、使い終わった直後のペンをどこに置くか迷いやすくなります。
また、マットなしで机に直接描くと、フィラメントが貼り付いたり、汚れたりすることがあります。
初めての3Dペンなら、付属品がそろったセットを選ぶと失敗しにくいです。
やけどしてしまったときはどうする?
どれだけ注意していても、万が一やけどしてしまう可能性はあります。
やけどをした場合は、すぐに熱源から離し、流水で冷やすことが大切です。
日本医師会は、やけどをした場合は流水で10分以上冷やすことをすすめています。
また、仙台市の救急情報でも、流水で10〜20分程度冷やすこと、氷や冷却パックで冷やしすぎるとかえって悪化する場合があることが案内されています。
家庭での応急処置としては、次のように覚えておくと安心です。
- すぐに流水で冷やす
- 氷や保冷剤を直接当てない
- 水ぶくれは無理に破らない
- 痛みが強い場合は医療機関を受診する
- 水ぶくれ、赤み、痛みが続く場合も受診する
子どもの皮膚は大人より薄く、やけどが深くなりやすいことがあります。消費者庁も、子どものやけどは重症化するおそれがあるとして注意を呼びかけています。
「少し赤いだけだから大丈夫」と自己判断せず、不安がある場合は医療機関に相談しましょう。
よくある質問
Q. 低温タイプなら子ども一人で使わせても大丈夫?
低温タイプでも、最初から一人で使わせるのはおすすめしません。
特に小学生低学年までは、大人が近くで見守るようにしましょう。
8〜10歳以上でルールを理解できる場合でも、初めて使うときは必ず一緒に確認しながら使うと安心です。
Q. PCL、PLA、ABSは何が違うの?
子ども向けに選びやすいのはPCLです。
PCLは比較的低い温度でやわらかくなるため、低温3Dペンに使われることが多い素材です。
PLAやABSは、一般的な3Dペンや3Dプリンターで使われる素材ですが、PCLより高い温度が必要になることが多いため、子どもが使う場合は注意が必要です。
Q. 低温タイプでも換気は必要?
はい。低温タイプでも、使用中は換気した方が安心です。
窓を少し開ける、換気扇を回すなど、空気がこもらないようにしましょう。
特ににおいが気になる場合は、使用を中止し、部屋の空気を入れ替えてください。
Q. フィラメントを口に入れてしまったら?
フィラメントはおもちゃのパーツのように見えることがありますが、口に入れるものではありません。
小さい兄弟がいる家庭では、フィラメントを出しっぱなしにしないよう注意しましょう。
誤って飲み込んだ可能性がある場合は、自己判断せず、医療機関などに相談してください。
Q. 通常タイプは絶対に使わない方がいい?
通常タイプをすべて否定する必要はありません。
ただし、PLAやABS対応の3Dペンは高温になるものが多いため、小さい子どもが初めて使うものとしては慎重に考えた方がよいです。
子ども用として選ぶなら、まずはPCL対応の低温タイプを検討するのがおすすめです。
まとめ|子どもの3Dペンは「低温タイプ」と「見守り」が大切
3Dペンは、子どもの想像力やものづくりの楽しさを広げてくれる道具です。
ただし、熱でフィラメントをやわらかくする道具なので、やけどのリスクをゼロにはできません。
子どもに使わせるなら、次のポイントを押さえておきましょう。
- PLA・ABS対応の通常タイプは高温になるものが多い
- 子ども向けにはPCL対応の低温タイプを選びやすい
- 低温タイプでもノズルは触らない
- 小学生低学年までは大人が近くで見守る
- 対象年齢、素材、温度、付属品を確認して選ぶ
- 使用中は換気する
- 使い終わったら冷えるまで待つ
- やけどした場合は流水で冷やし、必要に応じて医療機関に相談する
「低温タイプなら安全」と思い込むのではなく、低温タイプを選んだうえで、親子でルールを決めて使うことが大切です。
どれを選べばいいか迷う方は、子どもが使いやすい低温タイプを年齢別に比較したこちらの記事も参考にしてください。
👉 子ども用3Dペンおすすめ5選|低温タイプで選ぶ失敗しない方法
お子さんと一緒に、安全に気をつけながら、楽しいものづくりの時間を過ごしてくださいね。



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